今回は、日本の特別天然記念物に指定されているうさぎ「アマミノクロウサギ」について調べました。
というのも、今年は「アマミノクロウサギ」の事故死が過去最多、という悲しいニュースが出ていたからです。
そもそも、「アマミノクロウサギ」ってどんなうさぎなの?
生息地は?どこに行ったら見られるの?
ペットとして飼えるの…?
という基本的なところから解説していきたいと思います。
アマミノクロウサギは絶滅危惧種にも指定されていますし、何より事故死なんて悲しすぎます。
車で観光に行く際は要注意ですね。
日本の天然記念物「アマミノクロウサギ」はどんなうさぎ?
アマミノクロウサギは、体長42~51cm、体重は1.3~2.7kgのうさぎさんです。
毛の色は黒。
そして耳は意外と短く、あまり跳ばないのだとか。
脚はペットのうさぎさん同様短めで、巣穴を作って生活しています。
ウサギの中でも最も原始的な形態を残していると言われており、「生きた化石」とも呼ばれているそうです!
200万年前にユーラシア大陸の一部が切り離され、奄美群島が誕生した時から、姿かたちがほとんど変わっていないのだとか!!
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ペットとして人気のネザーランドドワーフよりも大きいイメージですね。
ちなみにネザーランドドワーフはこんなうさぎさんです。
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お顔が丸っこくて小型なことが特徴です。
(この方のうさぎさんめっちゃ可愛い…♡)
ペットショップには小型のうさぎさんが多くいるので、それよりも大きく野性味のある印象です。
「アマミノクロウサギ」は奄美市の公式キャラクターにも!
この貴重でかわいいアマミノクロウサギさんですが、鹿児島県奄美市の公式キャラクターにもなっています。
【コクトくんの雑学教室~プレイバックVol.29】 pic.twitter.com/ZNcJcAX5O3
— コクトくん (@kokuto_kun) October 14, 2022
まさかの公式ツイッターもありました…かわいい。
誕生秘話:もともとは普通のアマミノクロウサギだったが、交通事故に遭い、ひん死のところを奄美大島の大自然パワーに助けられて妖精として復活した(お腹の腹巻は交通事故のケガを隠している)。妖精なので不思議な力を秘めているが、普段は交通安全と野生動植物の保護を訴えながら奄美の山で静かに暮らしている。
出典:https://www.city.amami.lg.jp/kikaku/shise/koho/kokutokun.html
事故の多い現状が突き刺さる誕生秘話ですが、絶滅しないよう、大切にしっかり守っていきたいですね。
「アマミノクロウサギ」にはどこで会える?
アマミノクロウサギは現在、「世界で」鹿児島県の奄美大島と徳之島にのみ生息しています。
マングースや野生のイヌネコが天敵となるので、元々ユーラシア大陸にいた先祖は絶滅してしまったようです…。
奄美大島には天敵となるマングースがいなかったこともあり、絶滅せずに生き残ったのですね。
(生きててくれてありがとう…)
ただし、森林開発やハブ駆除のために持ち込まれたフィリピンマングースが原因で、今では絶滅危惧種に指定されています。
また、
近年ではマングース捕獲活動の成果もあり徐々にマングースの数は減少しアマミノクロウサギの数が回復傾向にありますが、人間が放置し野生化した”ノネコ”による捕食被害や格安航空(LCC)就航に伴い増加した観光客による交通事故死被害が新たな問題として立ちはだかっています。
出典:save the red list
とあるように、人間が捨てて野生化してしまった猫や、観光客増加の交通事故死が深刻な問題にもなっているようです。
少し古いですが、2003年の調査では奄美大島には約2000羽、徳之島には約200羽が生息しているそうです。それから約20年。問題になっているのをみると、その数は激減しているのかもしれません。
今回私が注目するきっかけになったのも「交通事故」ですね…。
Twitterではこのように注意喚起されています。
国天然記念物・アマミノクロウサギ事故死が最多更新 世界遺産登録で増えた観光客の影響か 9月末時点で昨年上回る https://t.co/6QTeemuRne #南日本新聞 #鹿児島
— 南日本新聞 373news.com (@373news_twit) November 1, 2022
ウサギは秋冬にも繁殖シーズンがあるため、今以上に事故死が増えてしまうのではないかと懸念されています。
・アマミノクロウサギだけでなく、ケナガネズミやトゲネズミ等希少野生動物の交通事故も近年確認されています。交通事故は林道のみならず、スピードの出やすい国道・県道上でも発生しています。交通事故が多発している地点には、下写真のような警戒標識などが設置されています。動物が活動する夜間は、特に標識設置場所では注意し、野生動物が急に飛び出してきてもすぐに止まれる速度まで減速していただくようお願いします。
<注意看板写真>
出典:環境省(https://kyushu.env.go.jp/okinawa/pre_2022/2021.html)
アマミノクロウサギは夜行性のため、みてみたい!と思ったら夜動くことになるのですが、見通しの悪い山道は事故率の増加にも繋がっているというのも事実…。
少しでも安全に見に行ける方法はないか、調べてみました。
「奄美大島ナイトツアー」
下記の「奄美大島ナイトツアー」では、アマミノクロウサギ以外にもたくさんの野生動物を探せるということで、動物や自然に癒されたい時にはぜひ利用してみたいイベントです!
東洋のガラパゴスと称される奄美のナイトツアー!特別天然記念物のアマミノクロウサギや島独自の固有種など多くの野生動物が生息する奄美で活発に動き回る動物たちの貴重な姿を見てみませんか?参加1時間前までキャンセル無料!小さなお子様連れにもおすすめの人気ツアーです。
出典:https://www.veltra.com/jp/japan/amamioshima/a/136848
ツアーはガイドさんの説明付きということで、自然の歩き方や動物について、より詳しくなれそうです♬
こちらは予約制なので、旅行や観光が決まったらすぐに日程を押さえておくとよいかもしれません。
アマミノクロウサギ観察小屋
もう一つは、「徳之島」の「アマミノクロウサギ観察小屋」。
国の天然記念物であるアマミノクロウサギを観察できる施設。固定式カメラ3台とズーム機能を備えた遠隔操作カメラ1台が設置されており、毎日午後8時から翌朝6時までの間を録画。その模様を大型モニターで見ることができます。
施設ご利用希望の場合は、事前予約(利用予定日の1日前まで)が必要です。
出典:https://www.kagoshima-kankou.com/guide/51249
生体の展示はないということなので、映像のみですが、関連書籍や餌となる植物などもあるということで、かなり学びが深まりそうな場所です!
見学には前日までに天城町役場企画課へ予約および利用手続きが必要、ということなので、こちらも事前予約を忘れずにしておきましょう。
住所:鹿児島県大島郡天城町当部字大井久479-2
電話番号: 0997-85-5178(天城町役場企画課)
営業時間:9:00~17:00(平日)
※事前予約(利用予定日の1日前まで)が必要
※事前の申請で夜間の利用も可能
※土日祝日等のご利用はご相談ください
休日:予約状況による
料金 :500円(1団体)
駐車場:有り
出典:鹿児島県観光サイト(https://www.kagoshima-kankou.com/guide/51249)
役場の方が運営してくださっているようなので、土日は要相談となっていますね。
「アマミノクロウサギ」はペットとして飼育できる?
国の特別天然記念物に指定され、絶滅危惧種にもなっているアマミノクロウサギ。
うさぎもペットブームの中に入っている今、ペットとして飼えるの?と素朴な疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?
基本的に、天然記念物であり絶滅危惧種の動物は種の生存や保護を目的として一部にのみ飼育が許されるもの。
そのため、ペットとして飼うことはできません。
だからこそ、島で出会えた時の喜びも一入(ひとしお)ではないでしょうか?
観光で会いに行くときには、環境保全や交通事故についても念頭に置いていきたいですね。
まとめ
今回は、鹿児島県の奄美大島・徳之島にのみ生息する天然記念物「アマミノクロウサギ」について調べてみましたが、いかがでしたか?
・「アマミノクロウサギ」は黒色で耳の短いウサギ
・「生きた化石」とも呼ばれている
・2022年は交通事故が過去最大で、飛び出しによる事故死が危惧されている
・観光では、奄美大島ナイトツアー等で探しに行くことが可能
大好きなうさぎについてまた一つ学べて嬉しかったですが、同時に環境課題も多いことが明らかになりました…。
最後に、「アマミノクロウサギブック」という素敵な資料が出されていることを知ったので、共有させていただきます!
自然から離れたところにいるとついつい他人事になってしまいがちですが、環境保護や生態系についても、日頃から意識していきたいなと思いました。
ちなみに、同じく「生きた化石」と呼ばれる絶滅危惧種のうさぎさんが北海道にも生息しています。
その名も「ナキウサギ」。
ねずみによく似た姿で「ピィー」と鳴く、こちらも可愛いウサギさんなのですが、こちらについてはまた次回、お伝え出来たら嬉しいです♪
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